日本語教師になるには、大学で日本語教育を専攻する、日本語養成講座を受講する、日本語教育能力検定試験に合格するなど、さまざまな方法があります。
外国人に日本語を教えるなんて、英語ができなきゃ無理と思う人も多いかもしれません。
でも、そんなことはないんです!
日本語教育は媒介言語を使わなくても日本語で教えることができます。
そのためには、しっかりと技術を学ぶ必要があります。
今回は、日本語教師になるための方法や、日本語教師の魅力を解説していきますね。
日本語教師ってどんな仕事をしているの?

日本語教師とは、ざっくり説明すると外国人に日本語を教える仕事です。
日本語だけではなく、日本で生活する時のマナーや、文化習慣、日本人の考え方なども教えます。
また、誰に教えるのかによって教える内容が変わってきます。
日本の大学に進学するための日本語、ビジネスのための日本語、生活するための日本語などさまざまです。
日本の日本語学校の場合、授業カリキュラム作成、テスト作成、学生の出欠管理、場合によっては、進学指導や就職指導、生活面のフォローなど、仕事は多岐に渡ります。
特に、日本で専任講師として働く場合、学生の出席管理は特に慎重に行わなければなりません。
また、日本で教える場合は、楽しい面もありますが、きついことも多く、日本での外国人社会の闇も見えてきますので、外国人に日本語教えるなんてかっこいいとミーハー的な考えを持っている人にはお勧めしません。
専任講師か、非常勤講師かでも変わってきますが、闇をあまり見たくない人は、非常勤講師をお勧めします。
日本語教師になるにはどうしたらいいの?
現段階で日本語教師になるには、次の三つのうちのいずれかが必要になります。
- 大学または大学院で、日本語教育に関する課程を主専攻か副専攻で修了する
- 学士を取得していることを条件に、文化庁認定の「日本語教師養成講座(420時間)」を修了する
- 「日本語教育能力試験」に合格する
現在はこの三つの資格のいずれかを持つことで、日本語教師の資格を得ることができますが、文化庁は2024年度を目処に「公認日本語教師」の制度が始まるとのことです。
現在、資格を持っている人たちも、「公認日本語教師」の試験を受験する必要があるとのことで、今後も目が離せませんね。
英語は必要?
英語を話せるに越したことはありませんが、必須ではありません。
学生は、世界中から来ています。
世界中の人が英語が話せるというわけではありませんね。
ですから、英語はできなくても大丈夫ですよ。
ただし、伝えるためには顔芸や大きなアクションなどが必要になりますから、大きなアクションを取るのが恥ずかしいと思う人はやめた方がいいでしょう。
どんな場所で働いているの?
日本で教える場合
日本語学校で教える
日本の日本語学校は、基本的には大学や大学院、専門学校に行って勉強したいという外国人が多く勉強しています。
そのため、日本語を教える以外にも、進学対策を教える必要があるので、ただ日本語を教えたいという人には注意が必要です。
大学や専門学校であれば、志望理由書の書き方。
大学院であれば、研究計画書の書き方まで教えるところもあります。
また、面接対策なども教える必要があります。
日本語教育の知識以外にも、学生の進路に応じて、求められる専門知識が変わってくるので、教師自身の日々の積み上げも重要です。
他にも短期滞在者をターゲットにした日本語学校もあります。
どんな日本語学校なのか、対象者は誰なのか、面接をする前にしっかりと把握しておく必要がありますよ。
大学の留学生別科で教える
日本の大学には、留学生別科というものを設置している大学があります。
別科で勉強している学生は、日本語学校と同じように、大学の学部や、大学院に入学を希望している人が多いです。
学生が大学や大学院の勉強で困らないような日本語力を教えることになります。
入学前に、その大学に進学することが決まっている学生もいますし、大学によっては、推薦制度があり、優秀な学生は、直接入学する機会をもらえる場合もありますが、他の大学を受験することもできます。
ですから、場合によっては進学指導をする必要が出てくる可能性がありますね。
大学で教える
日本の大学には留学生が毎年入学します。
その中には、英語で受験した人、日本語の実力で入学したものの、まだ日本語力が十分ではない人など、さまざまです。
多くの大学は留学生への日本語の授業を必修としています。
大学で教えるためには、通常の日本語教育の募集とは異なり、大学院卒以上の高学歴が必須です。
技能実習生や企業で働く外国人労働者に教える
日本には、技能実習生や企業で働いている外国人も多く住んでいます。
技能実習生の入国の手伝い、日本語教育を行なっている企業もあります。
基本的には技能実習生の入国の手続きなど事務系から、入国後にはビジネス日本語、各業種の専門用語などを教えるなど多岐に渡る業務をこなさなければなりません。
海外で教える
海外の日本語学校、大学で教えることもできます。
基本的に海外で教えるためには、学士を持っていないとワーキングビザが出にくい国もありますので、「日本語教育能力検定試験」取得者でも学士の学位がない人は難しいかもしれません。
国によっては、会話のみを教えるアシスタント的な扱いだったりするので、しっかりと条件を確認する必要があります。
また、海外の日本語教育経験は日本では経験としてカウントされません。
結構しっかりしている日本語学校が多いので、残念と言わざるを得ないですね。
日本語教師の魅力とは?
日本語教師の魅力は、なんといっても、全く話せなかった人が、少しずつ話せるようになってくる過程を見ることができることです。
アニメや漫画、映画、ゲームなどから日本を知り、内容を日本語で理解できるようになると感謝されることもあります。
海外に行けば、数少ない日本人ですので、とても親切にしてもらえることもあります。
また、日本語を使う仕事に就くことができたなど、いろいろな報告を聞くたびに嬉しくなりますね。
昔、大使館の文化担当官がおっしゃっていたのですが、「日本語学習者は日本語教師に出会い、そこから日本語や日本文化を学び、それを家族や友達に伝えていく。そこから、日本の商品や日本人の考えが広がっていく。いわば、日本語教師の皆さん一人一人が、日本の宣伝をしてくださっている人たちなんです。」と。
何気なく教えている中でも、こんなことを言ってくださる人がいるのは嬉しいですね。
日本語教師に向いている人とは?
日本語教師は、楽しいことが多い反面、過酷な面も多々あります。
日本でも海外でも共通して言えるのは、想像力を持って、常にどう教えたら簡単に伝わるのか、楽しく学べるのかを考えられる人が向いていると思います。
海外で教える人は、バイタリティーにあふれ、どんなことにも負けない精神力がある人がおすすめです。
日本語教師だから、日本語だけしか覚えないというような姿勢では、学生はついてきてくれません。
派遣先の文化を自ら取り入れ、学んでいくことができる人にお勧めします。
日本で働く人、特に日本語学校で働く人は、どんな専門学校なのか見極めることが大切です。
進学希望の留学生を対象にした日本語学校では、日本語を教える喜びよりも、生活管理や出席管理に精神を使うことがあります。
突然学校に来なくなる、不法滞在になってしまうという経験もするかもしれません。
そんな時でも負けずに、強い心を持てる人にお勧めします。
まとめ
今日は、日本語教師になるための条件、仕事内容、魅力をお伝えしました。
外国人に日本語を教える仕事は、側から見ればかっこいいと思われがちです。
確かにかっこいい面もありますが、問題も山積み。
ポジティブな面とネガティブな面の両方を理解して仕事を始められるといいですね。